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■炭のはなし

 
「備長炭」の名前の由来
「姥目樫」のはなし
炭の種類

■「備長炭」の名前の由来

 

備長炭の名は、元禄年間に紀州田辺藩城下(現在の和歌山県山辺市)の炭問屋、備中屋長左衛門が自分の店で、紀州産の白炭を扱っていて、その商標が「備長炭(びんちょうたん)」で、そこから来ているといわれています。

 そもそも備長炭は、藩政時代、紀州藩の大切な財源となっていて、ウバメガシそのものが大切に保護されていました。そして、ウバメガシは常緑広葉樹で、大地にしっかりと根を張るのが特徴で、昔から台風による山崩れや土砂崩れなどの、災害を防ぐ役目もしていたのです。しかも、曲がりくねった硬い木質のため、建築材としては役に立たなかったのです。
 つまり、ウバメガシは備長炭になるために生まれてきたようなものなのです。


■姥目樫のはなし

 

備長炭の中の備長炭の材料となるウバメガシは、ブナ科のウバメガシという樫の一種です。
 備長炭の優れた炭質が生まれる理由は、焼き方の他に炭材にウバメガシを使うところにあります.ウバメガシは曲がりくねった常緑樹で、硬くて重い.萌芽しやすく、30年で成木になるといわれ、成長は遅く、やせた地に育ちます。和歌山県の南部のほか、高知県足摺岬などの暖かい土地の海岸や山地に多く成長しています。ウバメガシは伐採しても次々と萌芽するので、皆伐しない限り、常によみがえる循環資源なのです。
 ウバメガシは、大気中の汚染物質を吸収するといわれ、公害に強い広葉樹としても良く知られています。最近では街路樹としても用途も広がっています。

 


■木炭の種類

 


 

白炭の断面

●炭(木炭)にもいろいろあるのです。 木炭は大きく2つに分かれます。「白炭(はくたん・しろずみ)」と「黒炭(こくたん・くろずみ)」です。

この二つの大きな違いは、簡単にいうと、炭を焼くときの温度と焼き上がりの際の火の消し方によります。極端なことをいえば、同じ姥目樫を二種類の焼き方で炭にすると、見た目、硬さ、火持ち、特徴など、まったく別の炭になってしまいます。

●白炭・・・備長炭は白炭の代表
白炭とは、焼きあがった炭の表面に白い粉がついているので、白炭と呼ばれます。白い粉は「消し粉(けしこ)」といい、適量の水と炭の灰と土を混ぜて練ったものです。真っ赤に燃え上がった炭を窯からとり出し、その炭に消し粉を一気にかけます。(このときの燃焼温度は1000℃に達するといわれます。)そして、炭がさめるまでこのままの状態で待ちます。白い粉の正体は炭の火を消すための消し粉だったというわけです。

 白炭の代表はもちろん「紀州備長炭」。”黒いダイヤ”と呼ばれています。姥目樫を原木とする木炭の最高級品です。備長炭は鋼のような固さとを持ち、炭どうしでたたくとキーンキーンという金属音を発します。燃料としては、火力が強い上に、火持ちがいいのが特徴で、高級うなぎの蒲焼屋さんなどでは備長炭が使われて焼かれています。備長炭は紀州備長炭(和歌山県)、土佐備長炭(高知県)、日向備長炭(宮崎県)、などがあります。いずれも、太平洋側の海に面した土地柄です。

黒炭の断面

●黒炭・・・火付きがよく、扱いやすいのが特長
黒炭は白炭よりやわらかいのが特徴で、着火しやすく、立ち消えもなく、簡単に高い温度が得られます。ただ、欠点は早く燃え尽きるので、量が必要な事です。古くから金属の精錬や加工などに使われてきました。(ちなみに奈良の大仏様の鋳造に使われた炭の量ははおおよそ800トンにもなたとか)また、茶道ではお湯を沸かすのにも使われてきました。

 黒炭の作り方はいたってシンプルで、完全に炭化した段階で、窯の口を密閉して火を消します。そして充分さましてから口を開き、木炭を取り出します。世界で焼かれている炭のほとんどが、この黒炭です。
 原木には、クヌギ・コナラ・カシなどのナラ類がほとんどで、備長炭と比べると、違いは一目瞭然です。値段も比較的安価です。

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